らくうのBlog

LGBTQ+関連のあれこれ

論理的思考遊び:憲法解釈

ちょっと論理的思考の遊びをしてみましょう。

 

racoo.hatenadiary.jp

 

上記の記事で、現在において本当の真理は限りなく3.に近い2.なのかなと思っています。大半の専門家は3.ですが、1.2.を主張する人がいますからね。それなのに何故国側は2.を主張しないのかというと、2.を主張してしまうと裁判所で3.が確定してしまうからじゃないかと思っています、あくまで遊びの推測ですよ。なんかぼんやり1.っぽさや2.っぽさを残しておきたかったんじゃないのかなぁと妄想してます。

だって、国側は「同性愛者でも、異性と婚姻することはできるから、婚姻できないわけではない。」「婚姻できなくても、二人で共同生活を営むことは可能である。」こんな主張まで持ち出してるんですよ。それなら一か八か「憲法24条1項は同性婚の禁止規定だ」って言ってみてもよくないですか?そうしないのは元々国側も3.と考えているのか、私の推測が正しいのか、まぁ真実はわからないですけどね。

同性婚を認めるには改憲が必要でしょ?

『法律を確認する際には、法律用語の意味に気を付けて条文を読む必要があります』

仮に憲法24条ついて、下記3つの解釈があるとします。

1.同性婚を立法することは憲法24条に違反する
2.同性婚を立法することは憲法24条に違反する可能性がある
3.同性婚を立法することは憲法24条に違反しない

現在、いわゆる同性婚訴訟が行われていますが、1.が正しいとすれば被告である国側は1.を主張するだけで、裁判所も1.を理由に原告側の訴えを退けることができます。もう一気にスピード解決!ただし、そうなっていないということは、1.の解釈は間違いであるというのが法律の専門家の共通認識であることが分かります。

以上で、改憲することなく同性婚の制定を訴えることになんら不都合は生じません。ですが、もう少し話を進めると…

仮に2.が正しいとすれば、被告である国側は2.を主張するはずです、しかし被告である国側の主張は「婚姻の在り方は国民的議論が不可欠で、民主的プロセスに委ねるべきだ。立法府に裁量がある」としており、将来的に現行憲法のまま立法府同性婚を立法することを否定していません。要するに2.の解釈についても議論の俎上に上がってない訳で、現代において法律の専門家の共通認識は3.であることが分かります。


ただ、法律の素人が1.や2.の解釈をしてしまうことはあるでしょうね。実際、専門家の方も下記のように注意喚起をしています。

【このように日常生活で使う言葉であっても、法律用語としては全く違う意味として使われていることがあるので(また、同じ言葉でも法律によって定義が違うこともあります。)、法律を確認する際には、法律用語の意味に気を付けて条文を読む必要があります。。】https://www.niigata-aoyama.com/topics/column/%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%9F%E3%80%9C%E6%B3%95%E5%BE%8B%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%96%84%E6%84%8F%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E6%82%AA%E6%84%8F%E3%80%8D/


日常生活において「素人が知ったかぶりして口出しするな!」と思われた経験をお持ちの方は少なくないと思います。個人的には謙虚な気持ちであれば口出しくらいはしてもよいと思うのですが、反論された際に【論理的で正しい反論返し】ができないのであれば、反論を受け入れ認識を変えるか、さもなくば【知ったかぶりの素人】として恥を晒して生きるか…。


もし同性婚反対派が「憲法の改正なしに同性婚を認める事ができない」ということを証明するのであれば、国側が1.どころか2.さえも採用していない合理的な理由の提示です。もちろん、個人の感想だけでなく客観的な事実の提示も必要です。仮に被告である国側が1.を主張していなくても、1.が揺るがない真実なのであれば裁判所が1.を理由に条件なしの合憲判決で終了です。そうなっていない合理的な理由も添えてください。もちろん、法律用語は正しく使い素人解釈を持ち出さないようにしてください。


例え話をするなら、登山を例に出しましょう。ごく一部の登山家の中には海抜0m地点から頂上まで目指さないと登頂ではないという人がいます。しかし一般的には山の麓から頂上まで到達すれば登頂と言いますよね。同性婚反対派の主張は「前者しか登頂とは認めない!」と言っているようです。憲法24条を変えなくても同性婚は実現できることは複数の客観的事実から明確です。集団的自衛権が正しいプロセスを経て認められたのと同じで、同性婚改憲なくして認められるのです。


この回答で『法律を確認する際には、法律用語の意味に気を付けて条文を読む必要があります』ということが広く伝わればと思います。

 

■おまけ

racoo.hatenadiary.jp

同性婚、事実婚じゃだめ?養子じゃだめ?

例えば病院で家族と認められないと困ることって多いですよね。解決策は色々あるんですけど、地方行政のパートナーシップ制度だと法的効果もないし無い地域もある、法的に有効な任意後見契約なら確実だけど行政書士に頼むと数万円x2人分かかる。孤立無援の単身者だって、ちゃんと手術を受けられるじゃないかといわれますが、本人の意識がないときに本人が希望していたことをきちんと伝えられるのは家族ですよね、認められないと本人が希望していたことが蔑ろにされてしまいます。

相続において、自筆遺言書は無料だけど素人が書いて間違いがあったら無効、こちらも行政書士に頼むと数万円x2人分かかる。更に税率も結婚した異性カップルより高くなる。

よく養子って話がでますよね。でも、養父、養子って年齢だけで決められて、養子の実親とは縁が切れる訳ではないんですよね。例えば先に養子が亡くなった場合、実親にも相続権が生じるんですよね。で、このケース、実親と養子の仲が良ければ、まぁ実親は相続放棄するでしょう。でも「同性愛者なんて許せない勘当だ!」って実親だったら相続放棄するでしょうか?「あんな不届き者、これくらい貰って当然だ!」とはならないでしょうか。前者なら多少お金がいってもと思いますが、後者でお金がいくのは許せないって思うのが普通の感覚ではないでしょうか。それになにより、なんで親子にならないといけないの?対等なパートナーとして認めてほしいという訴えなのに。

他にも色々な権利をパッケージングしたのが結婚で「婚姻届け」を出すだけで認められちゃうんですよね。かかる費用は戸籍謄本のみ。それが同性カップルだと数十万円に加え、手続きにかかる労力・時間、それでもフルパッケージにすることはできない。

実際、こんなことも起きています。
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2021/1/12.html
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2020/3/32.html


さて、異性カップルと同性カップルの扱いにこれだけの違いを設ける合理的な理由ってなんだろう?

一番大きいのは「子供を産み育てる」だと思いますが、現代において「子供を産み育てる」ことが結婚というのは無理がありませんか?そういった意見って、子供をつくることができないカップルや高齢者カップルへの批判につながりませんか?現代において結婚というのは二人の生活を守る制度であって、その上で子供がいる家庭も守る制度ではないですか。きっと同性婚が認めれても同性カップルの数より子無し夫婦の数の方が多くないですか?

結婚において異性カップルと同性カップの扱いに違いを設ける理由で合理的なものを聞いたことがありません。

それに、G7広島サミットで議長国首脳として「LGBTQIA+の人々の政治、経済、教育及びその他社会のあらゆる分野への完全かつ平等で意義ある参加を確保し」と宣言してます。日本は国際的な約束を反故にする国という印象を国際的に広めることは明らかに国益を下げませんか?経団連が苦言を呈したのもそういった背景があるのではないでしょうか。
■G7広島サミット首脳宣言の全文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA213340R20C23A5000000/
LGBT法案、自民党の取り組みの遅さに経団連会長が「恥ずかしい」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb727f35a6e286ded2bcd85add68a68a339c98b1

なぜ同性婚は裁判で争わなければいけないの?

憲法第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である

この条文を理由として、国会は時代の変化に応じて憲法を元に必要な法律を作ったり、改正する義務があります。

いわゆる不正アクセス禁止法個人情報保護法など、憲法制定時に想定することができなかった法律も裁判が行われることなく成立してますよね。

国会が立法の義務を滞りなく行っていればよいのですが、「国会は法律を作る必要性を知っているくせに放置しすぎじゃない?」と思った国民が国会に伝える手段が裁判で、違憲訴訟と言われたりしますね。(ちなみに新たな立法だけでなく、改正を怠っても義務違反です)

ただ裁判の仕組み上、単に「放置し過ぎじゃない?」と訴えることができないので、国会が義務を怠ったことで不利益を被った、という立て付けで損害賠償請求訴訟という形がとられます。よく「金が欲しいだけだろ」という批判がありますが、そのような方法しかないだけで、後述の通り訴えが認められても多くの場合賠償金までは認められないので、お金の事だけを考えれば出ていくだけで入ってきません。

違憲訴訟の結果には次の5通りが考えられます。

1.合憲で立法する必要性もない
2.合憲で立法は国会の立法裁量権
3.合憲だが違憲状態
4.違憲だが賠償金は認めず
5.違憲で賠償金も認める

それぞれのケースについて考えてみましょう。

1.について、明らかに無理筋の訴えということですね。違憲訴訟の際には弁護士も携わるでしょうから、さすがにこのケースはほとんどないと思います。

2.について、立法裁量権といって、法律を作るかどうかは国会で検討しててもいいよってことで、放置してるとまではいえないということですね。

3.について、2.の状態ともいえるが、裁判を通じて立法の必要性が明確になったので、このまま放置すれば違憲になりますよという状態。

4.について、放置してないって言い訳はそろそろ通用しないけど、放置しすぎとまではいえないので賠償金を払うまでではないよということですね。

5.について、さすがに放置しすぎで言い訳はできないので、賠償金を払いなさいよということですね。

今回のいわゆる同性婚訴訟の地裁判決はどれにあたるのか?札幌、名古屋は4.ですね。大阪は2.ですが将来的には4.5.になる可能性があると言及されています。東京、福岡は3.ですね。報道では合憲とも違憲状態とも報じられ「法制度が存在しないことは重大な脅威で、個人の尊厳に照らして合理的理由はない」とされていて、大阪より厳しい判断になっています。

ということで、裁判しなくても同性婚が成立した可能性はあったけど、国会が義務をはたしていないと考えた人たちがいたので裁判が起こされたというのが現状ですね。

通常の流れだとそれぞれ高裁で審議し、最高裁の判決が出るのが2024年か2025年と予想されるそうです。最高裁判決を待たずに立法することも可能です。G7広島サミットの首脳宣言で「LGBTQIA+の人々の政治、経済、教育及びその他社会のあらゆる分野への完全かつ平等で意義ある参加を確保し」と宣言した以上、裁判を続けて無駄に予算を使うことも、国際的な約束を反故にすることも国益を損なうだけだと思います。
https://synodos.jp/opinion/society/28695/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA213340R20C23A5000000/

Blog開設にあたって

どういう経緯だったか細かくは覚えていないけど、ある日、Yahoo!知恵袋のページを開いたら、あまりにひどい惨状で…。目にしたのは質問とは名ばかりの暴言を公表したい大人たちの群れ。これを若い子が見たらと思うとゾッとして、回答で正しい情報を載せてみた。暴言を公表したい大人たちは論理を積み上げた真実なんてどうでもよくて、自分達が正しいんだから真実なんだ!という主張を繰り返していて、全部に対応するのは無理だなと思いつつ、ヒトデを海に戻すよう、無理のない範囲で回答を続けようと思ってる。

ヒトデの話:http://earth-words.org/archives/11953

質問は同じようなのも多いので「それ、この質問で回答していますよ」と回答していたのだけど、質問者は質問を削除する事ができる訳で…。そう考えて、回答の安全な保存先としてBlogを開設してみた。

のめり込んでしまう性格なので、生活に支障をきたさないよう気を付けながら細々と続けていこうと思うのだけど、生活最優先なのでスグやめちゃうかもしれません。

早くみんなが安心して暮らせる社会になることを望んでいます。