同性婚の反対意見に関する誤謬など
短時間で書きなぐってしまったので、ひょっとしたら事実誤認や微妙な間違いがあるかもしれない。細かい点はご容赦を。
★悪用されるから認められない
本気で語られてますが、本来、「悪用が懸念されるから権利は認めない」という考えは、憲法、法律の世界には無い考えでは?必要な権利は付与され、悪用は別途立法で対応が法律の世界の考え方だと思います。
★世界は世界、日本は日本(G7宣言との矛盾)
下記、世界との約束は守ってほしいです。というのも、あまりよくない考え方かもしれませんが…日本は他国との約束を反故する国(戦後補償を不当にひっくり返すような国)になってほしくないし、そんな約束を反故する国に対して毅然とした態度で臨める国であってほしいので、世界との約束はしっかり守ってほしい。と思っています。
岸田元首相のG7広島サミット首脳宣言から…
《あらゆる多様性をもつ女性及び女児、そしてLGBTQIA+の人々の政治、経済、教育及びその他社会のあらゆる分野への完全かつ平等で意義ある参加を確保し、全ての政策分野に一貫してジェンダー平等を主流化させるため、社会のあらゆる層と共に協働していくことに努める。》
◎多様性の誤謬
同性婚/同性愛者に反対するのも多様性だ!と主張されますが、その理由で差別意識を含まない意見を聞いたことがないです。差別は憲法で禁止されており、違法な意見主張は多様性に含まれません。
◎多数決の誤謬(というか多数決でも勝ってる)
国民投票など多数決で決めるべきだという誤謬。視覚障碍者のための盲学校、選挙の点字投票が認められた際、社会の容認度は半数未満で低かったといいます。しかし、憲法で認められた権利として法律が成立しました。少数者の権利に多数決は不向き。それ以前に多数決でも勝っている。
◎税金の無駄遣い
同性婚は税金の無駄遣いと言われます。私は税金の適正利用だと思います。それに後述のよう、自治体からの郵便物や世帯単位の給付金/物に関しては無駄が省けます。というのも、現状同居する多くの当事者は同一住所に個々の単身世帯として住民票登録をしているので。(なので昨今の住民票記載問題も良い解決策なんですよね)
◎草案・戸籍システムの改変が大変、戸籍を壊す…
草案には『婚姻平等マリフォー法案』(検索のこと)がある。問題点があるなら、法案を読んで法的根拠を添えて反対意見を。
戸籍システムに関しては、当然の権利に対して税金が使われるのは当然だし、現行の戸籍システムは選択的夫婦別姓制度に対応していると聞いている、同性婚に対応しているかは不明だが、性別チェックを外す以外に改変が必要なのか?それに多くの金額が必要なのか?仮に必要でも当然の権利のために使われるお金では。
また、「戸籍を壊す」のではなく「戸籍をアップデート」するが正しく、古いシステムに固執することで国民の権利が失われるのであれば壊してしまった方がいい。まぁ、実際はアップデートすればいいだけのこと。
〇婚姻は生殖関係の保護
明治時代に下記の通り否定済み。現状、高齢者など生殖能力を失った者との矛盾点も。
《婚姻ハ両心ノ和合ヲ以テ性質ト為スモノニシテ、産子ノ能力ハ一般ニ具備スベキ条件ナレドモ、必要欠ク可カラザル条件ニアラズ》
〇配偶者控除を与える意味
本来の立法意義とは少しずれるが、現在ではサラリーマンに対する必要経費と考えられているのでは?専業主婦/夫が家事を負担する分、サラリーマンが存分に仕事することができる。同性婚と異性婚で分ける合理的な理由がない。不要なら異性婚でも廃止を。それに、そもそも同性カップルは共稼ぎが大半では?
〇養子縁組で対応可能
尊厳の問題。夫夫/婦婦であり、親子ではない。実態が満たされれば、それでいいじゃない…とはならず、実態も重要だし、ラベルも重要。
〇解釈改憲という誤謬
長くなるので別記事で。
解釈改憲という誤謬:同性婚の反対意見に関する誤謬など - らくうのBlog
〇別制度でいいだろの問題点
現状の婚姻と国の法的なパートナーシップ制度(別制度)に分ける合理的な理由は?生殖関係の保護が挙げられるが、再婚を考えると異性婚で設けた子供を再婚した同性カップルで育てる場合、異性婚の再婚カップルと制度を分ける合理的な理由は?
〇優先順位問題(もっと他にやる事が!)
人権問題より優先される問題とは?人権問題ではないという意見もあるが、それは法律の世界で通用するのか?
〇生物学的誤謬、医学的誤謬、辞書的誤謬
「同性愛は生物に反している」という意見について、生物学界隈では生物学が差別に使われることを「架空生物学」と揶揄され嫌われている。
https://x.com/kurubushi_rm/status/878867180699361280
医学界については「同性愛 ICD-10」で検索のこと。こちらは判決でも複数採用済み。
「婚で男男は成り立たない」と言葉の定義を理由に同性婚を否定する意見があるが、下記参照。また、辞書編纂者で、辞書を差別の理由に使われることを許す者などいるのだろうか?(いやいない…という反語表現ですよ)
『三省堂国語辞典』第8版
《結婚:…同性どうしが、夫婦に相当する関係になる場合にも言う》
〇現在の自治体のパートナシップ制度の拡充を!
パートナーシップ制度は地方自治体の条例であり法律ではないので、これ以上拡充する余地はほとんどない。そして同性婚を求める人達は条例で対応できない部分について求めている。
△虹色を盗まれた
長くなるので別記事で。
虹色を盗まれた:同性婚の反対意見に関する誤謬など - らくうのBlog
△静かに暮らしたい当事者も多い…の誤謬
静かに暮らしたいからと言って他者の権利主張を妨げる権利はない。同じに見られたくないというが、それは権利を求める者に問題があるのではなく、「同じに見る」という偏見を持つ側の問題では?
自治体の同性パートナシップ制度の利用件数7,351組(2024年5月末時点)、人口カバー率:約89%(2024年10月1日時点)、人口カバー率で補正をかけると、7,351組/0.89=8,259組(16,518人)。1万人以上の需要を国は無視することができない。(もちろん同性パートナシップ制度の利用者=同性婚を望む者ではないが…)
△何でもありになる、近親婚、ペット婚…
裁判では提出された客観的事実に基づく証拠の妥当性を審議し、証拠から導き出された認定事実を基に議論を行う。「何でも権利を認めて!」で認められるほど甘くない。同性婚以外では、どんな論理構築をするのか、それにも触れず何でもありというのは拡大解釈だ。
法的に正当なプロセスを粛々と進める人達に対して、冷笑する態度は、いじめのそれと同じ。
△トーンポリシング問題
権利が欲しいなら、丁寧で綺麗な言葉で求め、反論すべき…という意見はトーンポリシングであり不当。
△子供がかわいそう
シングルマザー/ファザーの子供と比べ、同性カップルの子供はかわいそうなのか?その理由は?いじめなら、いじめる側が問題では?
代理出産や出自については、異性婚でも起きる事案であり、同性婚に関係なく必要となる立法を進めるべき。
△アンケートの数字がデマ
保守系メディアでも過半数越え。アンケートの手法を疑うなら、具体的なアンケート手法をしらべ問題点を挙げるべき。また、統計学の知識がない者からの意見も見られる。
△同性婚は、ある組織が制度を悪用するため…
長くなるので別記事で…
同性婚は、ある組織が制度を悪用するため… - らくうのBlog
△親の気持ちも考えろ
もちろん、最初にショックを受けることは分かる。が、親の立場なら真剣に調べ、同性愛が自分で選択することのできない事項であることはすぐに分かるはず。それでもなお、子供の幸せより親の幸せを優先する親って…毒親以外の何?
それ以上に問題なのが「親のショックを考えろ!」という風潮を守る思想。この思想が生み出すのは、同性愛者も異性愛者と結婚して孫の顔を見せるべきという風潮。荒唐無稽に聞こえるが、昭和50年代までは当たり前に、現在でも少数だが、親の圧力に負けて同性愛者が異性婚する事例があった/ある。
自身の子供(異性愛者)の結婚相手が(異性愛者を装った)同性愛者でも構わないのだろうか?同性愛者は同性愛者同士結婚して貰った方が、異性愛者にとっても良いと思うのだけど。同性婚をタブー視する風潮は、同性愛者の異性婚促進につながることはあっても、抑制にはたらくことはない。
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さすがに誰も見てないと思うけど、お久しぶりです!
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。